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Motoji yuusuke/本地裕輔

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日本画 150号の描き方 秋の院展出品です

更新日:2023年12月14日


こんにちは、日本画家 本地裕輔です。

日本画の描き方でお困りの初心者の方多いと思います

●今回は岩絵具を使った日本画の大作の描き方を説明します。ご参考までに。



●写真上 2016年の院展入選作品

『鷺山眺望』です。

日本画の作品サイズは2200ミリ・1750ミリです。



●写真上 まず大下図をトレースしました。日本画の描き方の第一段階です。

線に抑揚はなく、一本調子で機械的な線で描いています。

●この段階では、線描きのみですので、

遠くから見ると、何が描かれているか実は分かりにくいです。

●直線が多いので、定規も使って描いています。中景の木の部分はフリーハンドです。


●写真上 墨で調子をとっていきます。この段階は画面を寝かせて描いていきます。

日本画を描く場合、制作の大半の時間は画面を寝かせて描いていきます。

●画面中心の電柱と遠景に手を入れていきながら空間を描いていきます。


●画面の上部遠景から仕上げることで、空間が早い段階で見えるため、一番細かい遠くの風景から描いていきます。

風景の手前の描写は遠景を基準に描かれることが多いと思います。

●この段階では岩絵の具で色はつけませんが、岩絵の具を乗せた後の『調子』に影響してくるため、絵の具のことを念頭に墨で描いていきます。シッカリと濃い墨から薄い墨まで使い分けていきます。

●画面に、座布団を置いて、描き進めていきます。日本画の描き方では

『乗り板』という会議机のようなサイズの物で画面に乗る描き方もあります。

●写真上 墨の上に岩絵具の『藍墨色』で盛り上げていきます。日本画の描き方では途中の盛り上げではまだ『グラデーション』は作りません。盛り上げの1巡目です。

●空間が出ているかを確認しながら進めます。

大きな画面を寝かせて描いていると、視野が狭くなるので、客観的になるために、たまに、画面を立てて、絵から離れて確認しながら描き進めます。

●この段階に来ると、『調子』がはっきりして来るので、遠くから作品を見て、画面の抑揚を確認しやすくなってきます。まだ画面下の近景はあまり手が入っていませんが、画面の奥行きは、出つつある段階です。

●この日本画の『盛り上げ』の描き方の段階では画面は 寝かせて描きます。

立てると絵の具が垂れてきてしまいます。


●写真上 画面を逆さまにします。そして、霧吹きや刷毛で絵の具を画面を立てて『洗って』いきます。

洗うと岩絵の具が『勿体無い』気もしますが、洗愛ことで得られるマチエルもあるので、どんどん洗いましょう。

●日本画の描き方では岩絵の具を洗うと少し雰囲気が出て来る気がします。

絵の具のグラデーションも、増やしていきます。

●日本画は大作を描くと、床が結構汚れますね。


●使っている筆は全て『得慶軒』の即妙(別中)です。

筆先の効きが良いです。


●写真上 画面を寝かします、日本画の描き方では、画面を立てたり寝かしたりして、絵の具の『付き』をコントロールしていきます。この場合は岩絵の具の上に墨を塗っているので墨が垂れないように寝かせています。


●写真上 おおむね完成に近くなってきました。マスキングテープで消失点へのパースのラインの修正を行っています。

●日本画の岩絵の具の特性上、重ね塗りをすると輪郭をはみ出してしまうことは仕方ないので、

制作途中で修正を入れていきます

●このテープの上からもう一度描き込み、その後マスキングテープ剥がします。

●『小下図』と見比べながら画面の色の配分や、形の入り方を確認していきます。


●写真上 今回使用した絵の具です。黒い色が多いですが、色よりも絵の具の

『番号』を変えることがポイントかと思います。

●また日本画の描き方では写真のような『刷毛』が仕上がりに大きく影響します。

細かく丸筆で描いて『刷毛』や『連筆』で『なじませて』を繰り返して日本画は仕上げていきます 。描いてばかりだと、絵が固くなる場合があるので、描き方や表現したい内容によっては、『刷毛で空気感』を出すこともあります。


●完成●『鷺山眺望』

最後に額装をして調子を整えます。

額に日本画を入れてからも、少し絵の具を置く場合もあります。

(日本画 描き方 初心者 技法 岩絵具 小下図) 

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